派遣という働き方は、紹介予定派遣を除いて非正規といわれるスタイルなので、この特性を利用して仕事を掛け持ち・Wワークしようと考える方は多いと思います。
ただ、労働基準法において、労働時間は一日8時間以内・週40時間以内に定められており、雇用主はこのラインを超えた従業員に、残業手当や休日手当といった割増賃金を支払う義務が生じます。
複数の雇用主から管理されている従業員が上記のラインを超えたときに、「誰が割増賃金を払うのか?」「管理責任はどこにあるのか?」といった問題は、あいまいで不透明なのが現状です。
掛け持ち・Wワークに対する結論を述べますと、法的には仕事の掛け持ちは違法ではないので、やるなら自己責任の中でやることが答えです。
ただ、万全を期すためには、勤め先が掛け持ち・ダブルワークを禁止しているというなら、例えそのルールに法的な効力はないにせよ、隠さず相談した方が後々良いでしょう。
これについては、後ほどまた取り上げます。
ここでは、派遣を利用して仕事を掛け持ちするときに、知っておきたい知識やポイントなどをまとめています。仕事を探すときに何か参考になれば幸いです。
本記事の用語について
- 掛け持ち・ダブルワーク…本業以外の給与収入(所得)
- 副業…給与収入以外の収入(所得)
この記事の監修者
当サイトおすすめ派遣会社
複数の仕事を掛け持ちすることは違法?
すでに冒頭で述べましたが、掛け持ち・ダブルワークで働くことは労働基準法違法ではありません。
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そもそも、空いた時間に仕事をする場合、自分のプライベート時間を利用して働くわけですから、規制が入るのはおかしいですよね。
しかし、法的には問題がないにも関わらず、雇用主側は就業規則を設けて掛け持ち・ダブルワークで働くことを禁止しているケースがあります。
これには、以下の事情があるためです。
雇用主としての責任がある
たとえば、派遣登録にきたスタッフがダブルワークを希望していて、すでに他社で就業中だったとします。
日中はフルで8時間しっかり働いていて、「もっと稼ぎたいから」と週末の土日休みで仕事を探していたとして、その人に紹介してしまうと、一日も休みがなくずっと働き続ける環境を作り上げることになります。
日本では雇用主としての労働者の勤怠管理の責任を強く問われる傾向にありますので、たとえば疲労や寝不足によって起きた事故やケガなどを、「お前のところの仕事紹介が原因だ!」とされれば、企業イメージダウンや信用問題にかかわりますし、リスクがとても大きいです。
ですので、派遣会社はスタッフサービスのように禁止にしてしまうところや、「掛け持ち・ダブルワークは、一日8時間以内に労働時間が収まるようであれば仕事紹介しますよ」といったスタンスの派遣会社が多いわけですね。
これが、冒頭で述べた「派遣の掛け持ち・ダブルワークは自己責任」という本当の意味です。
法的には「雇用主が変わっても労働時間は通算しますよ」というルールがある以上、長時間労働をする派遣スタッフに対して、派遣元は雇用主としての責任は問われるというわけです。
情報漏えいの問題
「派遣は非正規」といっても、人によっては派遣先の重要なポジションで働くことになったり、時には機密情報に触れる機会もあると思います。
そういった方が、たとえば派遣先の競合企業でダブルワークをしていたとしたら、これも大問題です。
派遣スタッフから社内機密情報が洩れて、筒抜けだったとなれば大損害となるので、雇用主が許可していても派遣先が禁止とするケースもあります。
結局のところ、法律で規制がないといっても、派遣元・派遣先にはそれぞれに責任が課せられるため、すべて自由にやれるわけではありません。
求人によって話も違ってくるので、良く確認しながら進むようにしましょう。
大手派遣会社の実際の対応は?
それでは、今度は雇用側の見解としてはどうなのか?と思い、大手派遣会社のホームページをサッと調べてみると、ほとんどが実のある回答を得られない結果となりました。
派遣会社名 | 対応 |
テンプスタッフ | 法律上は掛け持ち・ダブルワークも可能。 ただし、派遣元によっては禁止のところもあるので、その場合には就業規則に従うべき。 |
スタッフサービス | 派遣社員の掛け持ち・ダブルワークを禁止。 |
・リクルートスタッフィング ・マンパワーグループ ・ランスタッド ・アデコ ・パソナ ・ヒューマンリソシア ・テクノサービス ・ウィルオブワーク |
ホームページに記載なし |
掛け持ち・ダブルワークを禁止しているかどうか、明快に記載しているのは、スタッフサービスのみでした。
ただ、実際に就業が決まれば派遣元の就業規則に従って働くことになるので、渡されるガイドブックなどには記載があるのかもしれません。
筆者は派遣やアルバイトのダブルワークの経験はないんですが、聞いた話やネット上の情報を総合すると、派遣元としては掛け持ち・ダブルワークを希望する労働者をあまり歓迎はしないでしょう。
掛け持ち・ダブルワーク分の残業代はどう計算する?
日本の労基法では、原則一日8時間・週40時間労働を超える場合には、割増賃金を支払うルールがありますが、掛け持ち・ダブルワークをしている方も対象となります。
たとえば、ファミレスで一日4時間労働、続いて警備員を7時間やっていたとしたら、「4 + 7 = 11時間」となるので、超過分の3時間は割増賃金となるのが法律上のルールです。
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
「事業場を異にする場合」というのは、雇用主が複数いる場合も含む意味です。
では、割増賃金は誰が払ってくれるのか?という問題に移りますが、主な説としては、以下の2つが有力なようです。
- 2番目に労働者を雇った雇用主が超過分の残業代を支払う
- 雇用主同士で話し合いの末、どちらが負担するかを決める
一応、前者の2番目に雇った雇用主が、超過分の残業手当を負担するのが行政としての見解らしいのですが、どこから残業代がつくのかを誰がどのように判断するのかが不明瞭なルールですし、ぶっちゃけ残業代を支払わなくても労働者側が告発しなければバレることはありません。
メモ
掛け持ち・ダブルワーク分の残業代は、行政解釈の原則としては、後から労働契約を締結した会社に支払い義務があります。
一般的に、後から労働契約をした会社を含め、すべての雇用主は当該労働者が他の会社で労働していることを確認した上で契約を締結すべきであり、労働基準法上の義務を負うことになるためです。
例外として、先に労働契約を締結した会社も、通算した所定労働時間がすでに法定労働時間に達しているという認識がありながら労働時間を延長する場合には、残業代の支払義務が発生します。
しかし、この事例に関しては、どこから残業代がつくのかを誰がどのように判断するのかが不明瞭なルールですし、現実的には労働者側が申告しなければ残業代が支払われません。
掛け持ち・ダブルワークの残業代を払うかの判断は、雇用主が労働者の実際の労働時間を把握する必要があるものの、労働時間は労働者の自己申告制(労働者自身が総労働時間を管理し、上限に近づいた段階でしっかりと雇用主へ報告することが大前提)となっているので、現実的には相当難しいと言えるでしょう。
コメント:社会保険労務士法人・行政書士法人Amatria 代表社員:東 智春
派遣の掛け持ち登録や面接はOK
一応、混乱を避けるために説明を入れておきます。
派遣会社への登録や面接は何社に申請してもOKです。
派遣登録というのは、自分の就業希望条件を登録して、その条件に合った求人が出てきたときにすぐ紹介してもらうのが目的です。
登録する段階では派遣元にとってはお客さんのようなもので、雇用主と従業員の雇用関係がないので、ここに制限が入ることはありません。
次に面接ですが、同様に面接(※顔合わせまたは職場見学といいます)を受ける段階では雇用契約を結んでいないので、何社応募しても法的には問題はありません。
ただし、すでに派遣先との顔合わせや職場見学も済んで、後は契約だけといった具体的な話が進んでいるにもかかわらず、直前になって別の仕事へ就いたりすると、派遣元・派遣先双方からの信用は失うでしょう。
派遣やバイトの掛け持ち・ダブルワークがバレることはあるのか!?
掛け持ち・ダブルワークは、「正社員 + 派遣」「正社員 + アルバイト」「派遣 + 派遣」「派遣 + バイト」「バイト + バイト」という風に、色んな組み合わせがあるかと思いますが、いずれにせよメインとする本業があって、掛け持ち・ダブルワークをする方は「本業の会社にバレたくない!」と悩むケースがあると思います。
結論から言うと、掛け持ち・ダブルワークは、給与収入であれば本業先へバレる可能性は少なからずあります。
掛け持ち・ダブルワークがバレる理由
対策について解説する前に、なぜ掛け持ち・ダブルワークがなぜバレてしまうのかというと、労働者を雇った会社が自治体へ”支払った給与額を申告する”ためです。
自治体は、「本業」と「掛け持ち・ダブルワーク」分の給与収入をすべてトータルして住民税額を計算するため、今までより税金は高くなります。
本業で働く会社の経理担当者は、自治体から通知される従業員の住民税額を給与から差し引く事務処理をするので、去年の税額より高くなっていることに気づく可能性があるわけですね。
住民税を普通徴収で支払えばバレない!しかし…
先ほど解説したように、掛け持ち・ダブルワークがバレる原因として、住民税の増額があります。
逆に言えば、掛け持ち・ダブルワークした分の給与収入にかかる住民税を、給与から天引きではなく、自分で支払えば本業先にバレることはありません。
住民税を自分で支払うには、「特別徴収」から「普通徴収」へ変更手続きをする必要があります。
普通徴収に変更することで、自宅に請求書が届くようになるため、本業先にバレずに済むようになります。
住民税の普通徴収への切り替え手続きは、確定申告のときに行います。
確定申告書は「A(給与所得のみ)」と「B(すべての所得で利用可能)」の2種類がありますが、どちらを使用するにしても、下図のように”自分で納付”のところに丸を付けるだけでOKです。
今現在、掛け持ち・ダブルワークをしている方は、焦る必要はありません。
翌年の確定申告時期2月15日~3月15日の期間内に手続きをすれば、「6月」「8月」「10月」「(翌年の)1月」計4回、自宅へ請求がいくように切り替わるため、本業先にバレることはありません。
ただし、自治体によっては、掛け持ち・ダブルワークによる給与収入を普通徴収に切り替えられないケースがあります。
たとえば、東京主税局のホームページにも、下記のように注意書きが掲載されています。
給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することはできません。
引用元:東京主税局
給与収入の住民税を普通徴収に切り替えられない理由は、特別徴収にして給与から天引きにした方が、自治体が確実に税金を収集できるメリットがあるからです。
文中で、掛け持ち・ダブルワークの給与収入に関しては”100%バレないようにする方法がない”と説明しましたが、自治体によって対応に違いがあるからです。
ネット上でこの問題について調べると、「バレる」「バレない」の2通りの意見があるのですが、こういう事情があるからですね。
副業による雑所得であれば本業先にバレない
給与収入ではなく、たとえば、ネットオークションで私物を売って儲けたとか、個人で請け負った仕事などの副業による収入は、雑所得といわれる区分となります。
雑所得にかかる住民税は、普通徴収で支払うことができるため、本業先にバレることはありません。
個人的には、そこまでリスクを背負うよりは、正直に勤め先に相談を持ち掛けた方がうまくいくのではないかと思います。
マイナンバーから掛け持ち・ダブルワークはバレない
マイナンバーとは、国民一人一人に割り振られている12桁の番号のことです。
結論から言うと、会社に提出するマイナンバーから掛け持ち・ダブルワークの給与収入がバレることはありません。
マイナンバーは、社会保障・税・災害対策に利用するために作られたもので、行政が取り扱います。
行政から会社へダブルワークをしていることを教えるようなことはありませんし、逆もしかり。
民間業者は、本人の同意なくマイナンバーを使って個人情報を閲覧することは禁止されているため、心配はいりません。
ただし、マイナンバーを導入した目的の一つに、税金の収集があります。
これまで、掛け持ち・ダブルワークの給与収入を確定申告していなかった方は、行政にバレてしまうリスクは高いと見て間違いありません。
参考:マイナンバー | 内閣府
雇用保険や社会保険の加入はどうなる!?
まず、雇用保険に関しては、掛け持ち・ダブルワーク先で下記2つの要件を満たしていたとしても、加入するのは一社のみです。
雇用保険の加入要件
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上引き続いて雇用される見込みのある者
次に、社会保険の加入要件については、下記の要件を満たせば、本業先とダブルワーク先どちらも加入する義務が生じます。
社会保険の加入要件①
- 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同じ業務を行っている正社員など一般社員の3/4以上
- 31日以上引き続いて雇用される見込みのある者
ただ、正社員の労働時間を週40時間とすれば、上記に当てはめると週30時間以上働く計算です。
2ヶ所以上の勤務先で、ダブルワークの了承を得た上でこれだけ働く方は、現実的にはまずいないでしょう。
しかし、社会保険の加入要件に関しては、2018年の法改正によって、以下すべての要件を満たす場合も加入義務が生じるようになりました。
社会保険の加入要件②
- 従業員501人以上
- 週20時間以上の労働
- 年収106万円以上
上記の要件を満たした場合は、本業とダブルワーク先どちらも社会保険に加入することになります。
社会保険料は、2社の給与トータルから金額を算出して、それぞれの給与額に応じて按分されます。
しかし、厚労省の調べによると、条件を満たした労働者の雇用保険・社会保険の加入手続きは義務であるにも関わらず、未加入のまま働かせる悪徳事業者も後を絶たないそうです。
就業先の給与明細などは必ず中身を確認するとともに、きちんと保管するようにしておきましょう。
掛け持ちで働いた人が知っておきたい年末調整&確定申告について
派遣で働いていると、掛け持ちで働くこともありますが、年末になると困るのが「年末調整」や「確定申告」ではないでしょうか。
「源泉徴収票?扶養控除等申告書?書類がいきなり送られてきたんだけど、どうすればいいの?」
本記事では、この疑問に対して、基礎から丁寧に解説いたします。
年末調整とは?
年末調整とは、毎月会社から支払われる給料から天引きされている所得税を再計算して、一年間で支払うべき所得税や住民税といった税金を算出することです。
多く支払っていれば還付金として返還され、少なく支払っていれば課税されます。
毎月天引きされていた所得税をなぜ再計算するかと言うと、毎月おおよその金額で天引きされているため、年末にもう一度正確な税金を算出するためです。
給与明細と一緒に渡される源泉徴収票は、給与金額と所得税額を明記した書類です。
派遣を含む複数の会社で掛け持ちをしていた場合、毎年12月頃になると源泉徴収票が郵送されてくるので、メインで働いていた派遣会社へ年末調整を申請します。
基本的にメインで働いた会社へ年末調整をお願いする
基本的に、雇用形態問わず、メインで働いた会社に年末調整をお願いします。
メインとは、一般的に最初に雇用契約を結んだ会社であり、「扶養控除等(異動)申告書」を提出する会社です。
「扶養控除等(異動)申告書」とは、扶養家族の人数を申告する書類で、年末調整に必要となります。
扶養家族がいる・いないに関わらず、給与所得を受け取るすべての従業員は、必ず提出しなければなりません。
新入社員や中途社員は入社時に提出するのが一般的ですが、派遣やパートなどの非正規は年末が近づくと提出を求められます。
通常、掛け持ちしている会社へ「扶養控除等(異動)申告書」を提出する必要はありませんが、住所や世帯主の情報に変更がないか確認する意味で提出を求められることもあるようです。
2016年度よりマイナンバーの記載が必要になりました。
確定申告とは?
確定申告とは、毎年2月16日~3月15日の期間で、主に個人事業主に当たる方が前年1年間の収入と支出がどれくらいあったかを申告する手続きです。
派遣社員の場合、一年間ずっと同じ派遣会社に在籍していて、副業などで20万円以上の所得を得ていなければ、基本的には確定申告をする必要はありません。
ただし、掛け持ち・ダブルワークによる給与収入であれば、源泉徴収された所得税が還付されることがあるので、この場合は確定申告をしておくことをオススメします。
注意
※ただし、給与の収入金額が2,000万円を超える場合、自分で確定申告をする義務が生じます。
年末調整と確定申告の違い
年末調整と確定申告の違いについては、以下の通りです。
年末調整 | 確定申告 | |
---|---|---|
行う人 | メインで働いた会社 | 自分で |
申告する所得 | 給与所得 | 不動産所得 事業所得 譲渡所得 一時所得 雑所得 退職所得 配当所得 |
基本的に、一ヶ所の会社から給与所得のみで他に所得がないのであれば、年末調整だけしておけばOKです。
確定申告をすると還付金が戻ってくる場合もあるので、気になる方は税務署の相談窓口に電話で相談してみましょう。
還付金…年間で支払いすぎた返還されるべきお金のこと。
税務署の相談窓口URL:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shirabekata/9200.htm
掛け持ち・ダブルワークの年末調整・確定申告について
年末調整を受ければ、名前の通り、年末時点で勤めている会社で税金の計算や支払いを代わりにやってもらえます。
ただし、年度途中で転職をしていたり、掛け持ち・ダブルワークによって2ヶ所以上の会社から収入を得ている人は、状況に応じて年末調整だけで済むケースもあれば、年明けに自分で確定申告をするケースもあります。
2ヶ所以上から給与収入があっても年末調整できるケース
たとえば、A社で2月から6月いっぱいまで勤務をして、8月からはB社で年末まで働いたとします。
この場合、A社の給与収入は退職していて確定しているため、源泉徴収票をB社へ渡せば、2ヶ所以上の給与収入があっても年末調整が可能となるため、自分で確定申告をする必要はありません。
掛け持ち・ダブルワークは確定申告が必要
A社で働きながらB社で掛け持ちバイトをしている場合、年末時点になっても、A社・B社どちらも年収が確定できない状態です。
この場合、A社をメインの勤務先として、扶養控除等(異動)申告書を提出すれば年末調整を受けられますが、B社のバイト分は自分で年明けに確定申告をする必要があります。
副業などの年間所得が20万円以上の場合
副業とは、給与収入以外の収入全般を指します。
たとえば、ネットオークションや謝礼金・不動産所得などで儲けた場合は雑所得として扱われるので、20万円のラインを超えれば確定申告の対象になります。
副業収入があり、以下の要件に一つでも該当する方に関しては、年明けに確定申告をする必要があります。
- 配当所得・不動産所得などの資産性所得が20万円を超える場合
- 雑所得が20万円を超える場合
税金控除の対象となる支払いがある場合
税金控除とは、課税所得から差し引く項目のことです。
以下の要件どれかに該当する場合、確定申告が必要となります。
- 医療費控除…年間で10万円または年収の5%以上の医療費を負担した場合
- 寄付金控除…国税庁指定の団体や、ふるさと納税などへの寄付が該当する。ふるさと納税の場合、ワンストップ特例制度(※1)を利用すれば、確定申告が不要
- 雑損控除…災害や盗難被害に遭った方
- 住宅ローンの減税控除…初年度のみ確定申告が必要(※2年目以降は年末調整可能)
(※1)「ふるさと納税をした年の所得について確定申告をしない」「寄付をした自治体が5つまで」2つの条件どちらも当てはまる方が利用できる
掛け持ち・ダブルワークしている人は年末調整・確定申告どうしてる?
実際に、掛け持ち・ダブルワークをしている人たちは年末調整や確定申告をどのようにしているのか、実態を調査しました。
クラウドワークス社を通じて、掛け持ち・ダブルワークの経験がある方100人からアンケートをとった結果をシェアします。
- 調査:クラウドワークス社会員100名
- 男性:41名
- 女性:59名
掛け持ち・ダブルワークは本業先で公認されている?
掛け持ち・ダブルワークが本業先で公認されているかどうかアンケートをとったところ、「公認されている:62.0%」「公認されていない:38.0%」の結果となりました。
次に、公認されていない38.0%に、掛け持ち・ダブルワークは本業先でバレたかどうかアンケートをとったところ、「バレた:11.6%」「バレていない:88.4%」の結果となりました。
本業先にバレた理由を聞いたところ、以下の回答が挙げられました。
ダブルワークがバレた理由
- 同僚にバレて本業先の上司に告げ口をされたため
- エリア店長がお店に来たときにバレた
掛け持ち・ダブルワークの雇用形態
掛け持ち・ダブルワークをしている人の雇用形態についてアンケートをとったところ、「正社員×アルバイト:39.0%」「アルバイト×アルバイト:33.0%」「派遣社員×アルバイト:10.0%」の割合が高い結果となりました。
共通点として、掛け持ち・ダブルワークの雇用形態としてアルバイトを選択している人が多いですね。
年末調整の申請状況について
本業先で年末調整を申請したかどうかアンケートをとったところ、「年末調整をした:89.0%」「年末調整をしていない:11.0%」の結果となりました。
また、年末調整をしていないと回答した方の職業を聞いたところ、以下の回答を得ました。
オフィス什器搬入/サービス業/介護/ブライダルクワイヤー/飲食業/学生/研究職/事務職/接客業/保育士
掛け持ち・ダブルワークの確定申告状況
掛け持ち・ダブルワークの給与収入を確定申告したかどうかアンケートをとったところ、「確定申告をした:70.0%」「確定申告をしていない:30.0%」の結果となりました。
続けて、確定申告をした70.0%に住民税は「特別徴収」「普通徴収」どちらを選択したかアンケートをとったところ、「特別徴収:36.7%」「普通徴収:63.3%」の結果となりました。
なお、「普通徴収」を選択した方に確定申告をしたエリアを回答していただいたところ、以下が挙げられました。
宮城県/岩手県/東京都杉並区/東京都青梅市/神奈川県横浜市西区/神奈川県浦和市/埼玉県/栃木県宇都宮市/愛知県/富山県魚津市/鳥取県/徳島県/鹿児島県/沖縄県那覇市
複数の派遣で働いた年度の確定申告手順【備忘録】
ここからは、私が実際に自分で確定申告をしたときの流れをご説明します。
備忘録として残した記事なので、若干おかしな表現などございますが、ご了承ください!
準備するモノは、以下の通りです。
- 確定申告する年度に働いた派遣会社の源泉徴収票
- (確定申告書を郵便で提出する場合)郵送代と書類を入れる封筒
ここでは、「e-Tax」で作成した確定申告書をプリントアウトして、郵送提出するやり方を想定して記事を書いています。
僕のたった一日だけ働いた源泉徴収票を例としてアップしておきます。年末に近付くと、就業した会社からこのような票が郵送されてくると思います。
この源泉徴収票は、一年間で就業した会社から支払われた収入額(=年収)と、それに対する所得税や社会保険料などの支払った税金額が記載されているものです。派遣社員として複数の会社から収入を得て生計を立てている場合、この書類が複数送られてくるので、これらをまとめて確定申告をする必要があります。
自宅PCから確定申告をするには、ネット環境が必要になります。また、ネットから確定申告書を印刷するかネット上で申告するか2通りあるようですが、調べてみるとネット上での申告は自治体でICカードを取得する等の事前準備が必要とのことです。有料な上に3年更新が必要というのがメンドクサイので、僕は印刷する方で手続きを進めることにしました。
まずは、e-Taxサイトを開きます→e-Tax。「初めて確定申告をされる方」ボタンをクリックします。
図の「確定申告書等作成コーナー」をクリックします。
ここから別枠で開く設定になっているようです。「申告書・決算書収支内訳書等作成開始」ボタンをクリック。
上述したように、ここでは「書面提出」ボタンをクリック。
「パソコンとソフトウェア」「プリンタの設定」「利用規約」それぞれ確認してチェックを入れます。プリンタの設定ですが、プリンタが自宅にない人も結論から言うと問題はありません。これから作成したデータは最終的にはPDFデータでダウンロードすることができます。このデータを使ってネットプリントなどの無料会員サービスなどを利用すれば自宅からでも印刷することは可能です。
ピンクの大きなボタンをクリックします。
>給与を受け取った会社は複数ありますから、真ん中のボタンをクリック。
青色申告者は該当個所にチェックを入れて、次に進みます。なお、生年月日は必須項目です。
給与所得に関する申告ですので、図のボタンをクリックします。
特別な控除項目や配偶者などもいない場合、入力は図の3ヶ所だけです。なお、ここで最初に入力する源泉徴収票は、年末調整を提出した派遣会社となります。
事業所名と住所も入力すると、画面下に自動でデータベース化されて表示されます。後は同じ要領で手元にある源泉徴収票を元に入力を続けます。
入力が全て終わると、給与所得が自動で算出されます。
キリの良いところで、画面下の「入力データを保存する」ボタンをクリックして保存をかけておきましょう。
次に進むと、所得控除額の入力及び確認画面へ移行します。該当する控除項目のある人はクリックして入力しましょう。僕は特に保険などにも入っていないので次に進みます。
次も税額控除に関する画面ですね。これも僕には関わりがありません。次に進みます。
図のように、還付金つまり払い過ぎていた税金額が自動で算出されます。
1~7に該当しない場合、特に入力する必要はありません。次に進みます。
ここまでくれば、ゴールは目前です。図のように、住まいの「住所」を選択することと画面下にある提出先の税務署を間違えないように選択しましょう。多くの場合、自分の住んでいる(住民登録している又はしていなくとも生活の拠点地)地域にある税務署で問題ないでしょう。
図の「空欄でも大丈夫」という意味は、最終的に確定申告の書類をPDFデータでダウンロードして印刷した時に、ここで空欄にしておけば後で日付や月を書き込めるという意味です。
金を受け取る為、銀行口座データを入力して次へ進みます。一部のネット銀行では受け取れないようです。僕は楽天銀行ですが、良くある質問を読むと受取は問題ないようです。
図のボタンをクリックすると上述したようにPDFデータでダウンロードすることが出来ます。ちなみに僕はfirefoxを使用していますが、ダウンロードしているかどうかクリックしても反応がなく分かりづらかったです。
郵送で提出する場合の注意点は、まず提出年月日は郵送した日付を忘れずに記入することと、源泉徴収票などを所定の用紙に貼りつけて提出することです。郵送では不安な場合、申告書を直接持ち込んでも良いですし、税務署の営業時間外においては専用窓口(=時間外収受箱)から提出することも可能です。
掛け持ち・ダブルワークにおすすめの派遣会社
文中でも触れたように、大手派遣会社であっても、本業がある状態で仕事を探している求職者に対しての対応は慎重です。
しかしそれは、大手のみならずどこの派遣会社を利用しても同じでしょう。
派遣会社にとっても労使トラブルは避けたいところなので、契約内容通りの労働力を提供できる人材でなければ、仕事の紹介はしません。
こう書いてしまうと、本業をしながら派遣で仕事探しをすることが厳しいように伝わってしまうと思いますが、自分の希望に合う求人を代わりに探したり提案してくれる派遣会社の存在というのは、一度登録してみるとわかりますが一人で探すよりも便利で心強い味方となります。
「当社は掛け持ち就業をサポートします!」といった営業方針の派遣会社はありませんから、素直に幅広いタイプの求人を取り扱う大手の優良派遣会社へ登録してみるのが仕事を見つける近道になるでしょう。
当サイトで登録利用をお勧めしている大手派遣会社の詳細情報は、下記のリンク先にまとめてありますので、検討する際に閲覧して頂けたらと思います。
詳細はこちら ➡ 【未経験者におすすめ】派遣会社ランキング
あと、派遣でなくてもいいなら、自分の空いた時間に働ける日雇い派遣などもオススメです。
筆者も過去に数回やったことがありますが、本業をしつつ日雇いで働く方も結構いらっしゃいました。
企業から多くの仕事依頼を受け、多くの登録者を抱えている派遣会社が仕事スタイルを提案出来るようにならなくては意味がありません。
派遣スタイルだけではなく、企業に対しても効率的かつ有効な業務形態を提案できる派遣会社が今後、業界をリードしていくと感じています。
まとめ
正社員など長く大切にしたい本業の居場所があるという方は、派遣やバイトを利用した掛け持ち・ダブルワークはなるべくオープンにして働くようにしましょう。
もし仮に、本業である程度の重要なポストについていたとしたら、疲労が原因で仕事に支障をきたし、致命的なミスによって企業にダメージを負わせたなどとあっては、懲戒処分の可能性もあります。
掛け持ち・ダブルワークを検討していて「派遣を利用しようかな」と思っても、本業が忙しくなかなか登録へ行けないという方は、「夜間登録会」や「土曜登録会」といったことをやっている派遣会社も多いので、利用してみると良いかと思います。
しかし、バイトなどと掛け持ちをする分には、労働条件がきっちり決まる派遣は便利なシステムといえます。
繰り返しになりますが、掛け持ちであっても一度仕事を引き受けて契約を結ぶ以上は労働者にも責任がありますから、派遣先や周りの従業員に迷惑をかけないよう責任をもって取り組むことが大切です。
終身雇用が成立しなくなって来た昨今、このような働き方は求められていますし、しっかりと生計を立てられる仕組みが作れれば働くことへのストレスが軽減されるのではないかと願っています。
派遣形態はそんなストレスフリーな働き方を推進できる雇用形態の1つではないでしょうか。
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テンプスタッフ
スタッフサービス
パソナ
パソナは、月刊ビジネス主催の派遣スタッフ満足度調査で、「所属している派遣会社を友人に勧めたい」7回連続で1位を受賞した実績があります。
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