主婦派遣

母子家庭でも社会保険に加入するべき理由

2019年8月2日

基本的に、シングルマザーは社会保険(※以下、社保)の加入はするべきです。

転職をしたり、社内で昇進が決まって、お給料が増えると共に社保に加入することになると、これまで支払いを免除されていた国民健康保険料や年金分が請求されて、「生活できないのでは…?」と不安がるお気持ちは分かります。

また、母子家庭として受け取っている手当や支援制度がなくなるかもしれないと思うと、うかつに判断はできないですよね。

そういった方の多くは、社保についてあまり知らない方ではないでしょうか。

そこで、ここでは、シングルマザーが社保へ加入するメリットや理由を、国民健康保険と比較しながらご説明すると共に、手当や支援制度についても取り上げていきます。

社会保険についておさらい

社会保険のしくみ

※タップして拡大

本題の前に、社保について内容の確認です。社保とは、一般的には以下の4つの要素を総称した用語です。

雇用保険

「1週間に20時間以上働き、更に31日以上働き続ける予定である」労働者が加入。
加入期間の条件を満たすと、失業後にハロワで手続きをすると給付金をもらうことが出来る

健康保険

「1週間の労働時間が勤め先従業員の概ね4分の3以上であること」
「契約期間が2ヶ月を超える、または2ヶ月を超える見込みがあること」の条件を満たす労働者が加入。
保険料は雇用主(派遣会社)と折半となる。

厚生年金

加入条件は健康保険と同じ。厚生年金へ加入することで、老後にもらう年金額が上乗せされる。

介護保険

40歳から64歳までの健康保険の加入者に支払い義務が生じる

雇用保険の加入について

雇用保険は、「1週間に20時間以上働き、更に31日以上働き続ける予定である」労働者であれば、たとえ雇用形態がパートや派遣でも、加入しなければならない義務が生じます。
個人に選択権はなく、強制加入ですね。

国保や年金の支払い免除、減額はトクをしているわけではない

ここからは、シングルマザーであるあなたが主たる生計者、つまり、世帯主として働いていくことを前提にお話いたします。

シングルマザーは、経済的に苦しいことから、国民健康保険(※以下、国保)と国民年金それぞれを支払免除または減額申請をしている方は多いでしょう。

しかし、社保{※健康保険(以下、健保)と厚生年金を合わせた総称}の加入条件を満たすなら、加入した方がオトクです。

ポイント

国保の減額…

所得額に応じて70%・50%・20%の減額(※自治体によって変動あり)

国民年金の減額・免除…

所得額に応じて75%、50%、25%の減額または全額免除(※年金事務所による審査で決定)

健保と国保の保険料はそれほど変わらない

健保と国保では、健康保険料にどれくらいの差が出るのか?
例として、以下の条件で算出してみます。

  • 世帯年収…1,060,000円(※標準報酬月額:88,000円)
  • 住まい…東京都荒川区
  • 子ども…一人
月々の支払い額(円) 年間の支払い額(円)
国保(国民健康保険) 6,900 82,800
健保(健康保険) 4,382 52,584

ただし、国保の金額に関しては、各地方自治体によって算出されていることから、住まいによって変わります。
上記の例では健保の方が低い金額ですが、地域によっては国保の方が低い金額になることもあり得ます。

しかし、それでも、子どもを育てるシングルマザーは、健保の方がオトクなんです。

健保に加入すれば傷病手当金制度が利用できる

傷病手当金のしくみ

※タップして拡大

お子さんがいる母子家庭では、一度は「自分が倒れたり、仕事ができなくなったら…」と不安になった経験があるでしょう。

国保と健保で、唯一違うのが傷病手当金制度があるかどうかです。

傷病手当金制度とは

業務以外の理由であっても、4日以上の入院を要する病気やケガで働けなくなったときに、給料のおよそ2/3のお金を受け取ることができる制度。

受け取れる期間は、最長で1年6ヵ月。

傷病手当金が承認されれば、お仕事を休んでもおよそ6割の給料が保証されます。
制度を利用するには、3日間連続で待期期間を過ごすことが条件となります。
また、利用期間は最長で1年6ヵ月です。

すべての労働者は労災へ加入義務がありますが、労災はケガや病気が労働によるものと認定されなければ、受け取ることができません。

傷病手当金制度なら、業務外でも適用されるのが大きなメリットです。

厚生年金に加入すれば障害年金制度が利用できる

入院以外にも、万が一、障害を負ってしまって、働けなくなったり、治療を余儀なくされるリスクもありますね。

厚生年金(※社保の年金)に加入していれば、

ポイント

  1. 厚生年金加入者は、障害等級3級でも受給できる(※国民年金は1、2級まで)
  2. 厚生年金加入者は、障害等級3級に認定されなくとも、一時金として障害手当金が支給される可能性がある(※国民年金はこの制度はナシ)
  3. 厚生年金加入者は、配偶者の有無で受給額が加算される

以上のように、国民年金と比較して、手厚い補償内容となっています。

国民年金の支払い免除をしていると老後にもらえる年金額が減ります

もともと、厚生年金と国民年金では、加入期間や所得収入によって、老後にもらえる金額に差が出るしくみです。

メモ

厚生労働省の発表によると、厚生年金加入者の月に受け取る金額は、約148,000円、国民年金加入者の月に受け取る金額は、約55,000円と、2倍以上の差が生まれている。

参考資料:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H28.pdf

上記は、あくまで平均値ですが、免除申請をし続けている方は、保険料を納めた場合と比較して、もらえる額が2/1になります。
免除申請せずに厚生年金へ加入して支払い続けたほうが、将来の安定につながることは間違いありません。

営業マン前田
年金や健康保険も毎月支出を伴うので、支払いはキツイですよね。
免除制度を活用することは悪いことではありません。
ただ、年金は、将来の支給額い影響を及ぼしますので可能な限り支払うことが理想と言えます。

健保と国保の比較まとめ

ここまでの、健保と国保の違いについて、まとめると以下の通りです。

ポイント

  • 健保に加入しておけば、いざ病気やケガで動けなくなっても、傷病手当金を受け取ることができる
  • 障害を負ってしまって働けなくなったときにもらえる障害年金は、厚生年金(社保)の方が手厚い
  • 国民年金の支払い免除を受けていると、将来もらえる額は1/2になる

シングルマザーが、検討材料として真っ先に考えるのが、”子どものためになるのか?”ですが、社保へ加入することは間違いなく子どものためになります。

とくに、傷病手当金や障害年金は、いざ病気やケガをしてから社保へ加入しても、診察を受けた時点で加入していた保険内容が適用されますから、社保は入れるなら入った方が安全ですよ。

注意点として、保険と年金の加入については、「健保と厚生年金を両方支払うのは大変だから、健保と国民年金にしよう」といった選択が不可能です。

つまり、

  • 国保と国民年金でワンセット
  • 健保と厚生年金でワンセット

となり、自由に選べないしくみになっています。

営業マン前田
企業に属して厚生年金や健康保険に加入することがやはり一番安心です。
国民年金や国保よりも手厚い支給や制度があることは事実です。これは「正社員限定」ということではありませんから契約社員、派遣社員、場合によってはパート社員にも要件をクリアされていれば適用される(加入義務がある)ものです。
できれば就職し厚生年金、健康保険の加入がオススメです。

社会保険加入によって母子家庭の手当・支援制度への影響は

母子家庭の場合、児童扶養手当や住宅手当、医療費助成制度といった様々な手当や支援制度を利用していると思います。

これらは、社保へ加入したからといって、制度が利用できなくなることはありません。
ただし、手当の金額は年収や所得金額によって算出されるので、まったく関係ないとはいえません。

児童扶養手当には影響なし

児童扶養手当の支給要件は、年収額によって決められているので、社保の加入によって結果が変わることはありません。

児童扶養手当

年収160万円まで満額支給されるが、年収アップに比例して減額がなされて、年収365万円を超えると支給対象外となる。

「住宅手当」と「医療費助成制度」は所得金額によって変わる

賃貸アパートの補助金である「住宅手当」や、医療費を控除してもらえる「医療費助成制度」は、各自治体によって金額や所得制限の条件が違います。

また、金額の計算方法も、地域によって違いがあるので、最寄りの役所へ確認をしてみてください。

まとめ

結局のところ、社保を無駄な税金の支払いとするか、将来やイザというときのための保険と捉えるかによって、答えが出ます。

シングルマザーであっても、お仕事の収入が増えれば支払う税金も増えます。
貯蓄する意識で社保の保険料や年金を支払っていけば、将来の自分や子どものためになるのは間違いありません。

営業マン前田
将来の年金支払い金額を多くする為の制度として確定拠出年金なる制度もあります。
将来受け取る年金額を自力で上乗せする制度です。
運営会社へ毎月掛け金を支払い、自分自身で金融商品を運用して資産を増やしていく制度で節税効果も高く普及してきています。
余裕がある方はこのような制度も検討してみる価値はあります。

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