会社都合(リストラや企業倒産など)の退職や、派遣切りや雇止めによって職を失うと、失業給付を受ける際には通常3ヵ月過ごす待期期間をゼロにすることが出来ます。
待期期間は、求職者にとって何のメリットもないので大変ありがたいですが、職を失った時の傷が癒えぬまま再出発をはかる為、心が付いてこないこともあると思います(※失業給付を受けるためには、平均2回の求職活動実績を認定日に報告するルールがあります)。
そこで、ここでは僕が実体験を通じて学んだ求職活動実績をカンタンに作る方法をシェアします。
新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した給付日数の延長に関する特例
コロナの影響により派遣で雇い止め(派遣切り)に遭った場合、特例としてハローワークにて失業手当の申請をすると給付日数の延長を受けられる場合があります。
給付日数を延長してもらうには、離職日の期間と一定の条件を満たす必要があります。
なお、地域によって緊急事態宣言の発令時期が異なりますが、離職した日付を基準に下表の期間で対象かどうか判断がなされます。
離職日 | 対象者 |
---|---|
~令和2年4月7日 (緊急事態宣言発令以前) |
離職理由を問わず、全受給者 |
令和2年4月8日~令和2年5月25日 (緊急事態宣言発令期間中) |
特定受給資格者※1および特定理由離職者※2 |
令和2年5月26日~ (緊急事態宣言全国解除後) |
新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた 特定受給資格者※1および特定理由離職者※2(雇止めの場合のみ) |
※1 特定受給資格者…倒産・解雇等の理由により離職を余儀なくされたもの
※2 特定理由離職者①…期間の定めのある労働契約が、更新を希望したが雇止めとなり離職した者
※2 特定理由離職者②…転居・婚姻等による自己都合離職者
給付日数の延長日数は30日と60日のどちらかです。
以下の条件によって、割り振られます。
条件 | 給付日数 |
---|---|
35歳以上45歳未満で所定給付日数270日の方 | 30日 |
45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の方 | 60日 |
給付日数の延長手続きについては、ハローワークの失業認定日にて行われるため、失業者本人がやるべきことはとくにありません。
求職活動実績の一覧
初めにお断りしておくと、ハローワークは地域ごとに求職活動の認定基準が違います。また、職員さんのお話によると、時代の流れに合わせて随時ルール変更していっているそうなので、ここでシェアした内容は不変ではないことを予めお断りしておきます。
ハローワークで求職活動として認められるのは、主に以下のリストとなります。
- 職業訓練校の合同説明会への参加
- 求人応募(※求人検索・書類応募・面接)
- 派遣登録
- 人材派遣や転職支援会社主催のカウンセリングや職業相談
- ハローワーク主催の講習やセミナー
- ハローワーク職員のキャリアカウンセリング
- 資格の取得
ランキング形式で掲載していますが、実績を作るのがカンタンな順に並べています。この中で、もっともおすすめなのが「職業訓練校の合同説明会」の参加です。
職業訓練校の合同説明会とは?
職業訓練校は、月に数回決まった日時にハローワークに集まり、合同の説明会を開催しています。
僕が参加したのは、小さな会議室で行われました。いくつかの訓練校関係者が集まって、求職者は興味のある学校のブース(※というほど立派なスペースはないんですが)へ行って、話を聞いたらそれで終了です。
最短では、20分ほどで求職実績を作ることが出来ました。かなり効率は優れていると思います。
公共職業訓練では営業事務、経理、ITビジネス、ウェブデザイナー、医療、介護職員、保育士、電気設備技術者、ネイリストなど、さまざまな職業に就くための訓練が無料で受けられます。
ハローワークの窓口でこの公共職業訓練に申し込むことが、1回の求職活動と認められます。また、そこで職員が「就職を希望する職種に必要」と判断すると、公共職業訓練に受講できます。
決められた時間内であれば、出入りは自由なので、気になる訓練校があれば話を聞いても良いですし、ともかく拘束されずに過ごせるというのは魅力です。ただ、自分がきちんと説明会へ参加したことを認定日で証明するにはどうするのか?という不安はありました。
それで入口にいらっしゃった職員さんに尋ねると、写真のような証明書を発行してくれました。認定日にはこれを持っていけば、参加したことの証明になるんだそうです。
自分の知らないジャンル(※例えば介護関係やPCスキル関連の学校)の説明を聞くと意外と面白く、結局4回ほど参加してしまいました。どれも20~30分ほどで終了しています。
ただし、介護などあまり人気のないブースへ行ってしまうと、「待ち」がいない状態なので説明が非常に長くなる危険もありますので、人気のありそうなところへ一番乗りで参加した方が、効率は上がると思います。
求人応募はハローワークPCの求人閲覧も実績として認定されるかどうかがポイント
恐らく、雇用保険受給説明会で説明があると思いますが、ハローワークPCの求人閲覧が実績として認定されるかどうかは、地域によって異なります。僕の地域では、NGでしたので、そうなるとこのやり方は効率的ではありません。
履歴書・職務経歴書を送るのは、作成に結構な手間と時間がかかります。何より、求人応募に前向きに取り組めるほどメンタルが回復しているなら、求職活動実績について悩んでいないですよね。
派遣登録はおおむね1~1時間30分程度で完了する
働く気がまだ出ないのに、求人へ応募するというのも気が引けると思います。そこで、当サイトでおすすめしているのが派遣登録です。
派遣会社への登録は、一人で何社申し込んでも無料です。住んでいる地域にもよりますが、大手などの大半は駅周辺に拠点が集約されてますので、来社もしやすいです。
派遣登録を申し込んだからといって、すぐに働ける状態である必要はありません。登録の時、ネット上の申し込み画面にもありますが、「就業スタート可能日」を設定できるようになっています。
その日にちを設定しておけば、仕事をする気のない時期には仕事紹介が来ません。こういった、働く時期が決められるのも派遣のメリットです。
登録から仕事紹介、就業に至るまですべてが無料なのですが、質の高いサービスを受けるためには、大手の優良派遣会社を選択することが大切です。また、今は登録だけでも将来また再利用する可能性はあるので、自分の適性やこれまでの職歴を元に、希望条件やキャリアプランをざっくりと考えられるとベストです。
人材派遣や転職支援会社主催のカウンセリングや職業相談
僕は参加経験がありませんが、先ほど触れた派遣会社や転職支援会社が主催の職業相談などを実施していることがあります。これも無料ですし、参加すれば活動実績として認められます。
ハローワーク主催の講習やセミナー
これは一度だけ、「履歴書の書き方」みたいなセミナーへ参加したことがありますが、はっきり言ってその内容はお粗末なものですし、数時間もの拘束時間を無駄にします。
今では書籍やネットからでも有力な情報はいくらでも手に入りますので、カウンセラーとしての実績やスキルの低い職員が講師を務めるセミナーへ、わざわざ参加する意味が見いだせないです。
それでも、早く終わるのならオススメできるのですが、しっかり時間もかかるものばかりなので、こういった活動をするのは止めた方が良いと思います。
ハローワーク職員のキャリアカウンセリング
一度だけ、40代くらいの女性職員に、相談に乗ってもらったことがあります。これは、電話などで申し込むと予約することが出来ます。
まず、カウンセラーを務めるにはあまりにも転職市場に関する情報不足が感じられますし(※例えばラウンダーという職種を聞いてもどんな仕事か分からないなど)、態度も何だかおどおどしていて、どっちが相談してるのか分からないような感じで頼りなかったです。
メリットとしては、サッと相談を終えれば時間がかからないですし、日時を事前予約すれば待たされることもありません。ただ、相談内容を考えないといけないのが面倒ですし、何より偽りの悩みを伝えるというのは良心が痛みます・・・。
ひとまず、初回認定日を過ぎてどうしようか…と迷われている方は、まずは「職業相談」をしにいくのが良いかと思います。本当に、パソコン検索の絞り方を教わるだけでパソコン検索効率が相当変わると思います。
資格を取得する
必要な資格取得を目指すのはもちろん素晴らしいことですが、実績を作ることを目的として資格を取るのは、完全に無駄ですね。場合によっては高額な教材費や受験費用もかかります。
民間資格となると、実績とは認められないものもあるハズなので、取得するなら事前に確認した方が良いでしょう。

様々な職種に対する学習や実習等を授業形式で行ってくれ、かつ失業手当も受け取れますので新たにスキルを身に着けたい方にはうってつけのメニューです。
私も職業訓練校が主催する企業説明会に参加(企業担当者として)し、何名も採用をさせて頂きましたので有意義な取り組みだと考えています。
「資格受験」も実績にカウントされます。
といっても資格受験は開催される時期に左右されますし、費用もかかります。
なので、実績作りのためにわざわざ資格受験する必要はないです。
元々必要だったり、欲しかった資格を受験したときに実績にするぐらいでOK。