普通の正社員から派遣へ移った時に、環境の変化に一番関わってくるのが帰属意識の低下かもしれません。
ただ派遣と言っても、一般事務などの方は自分のデスクが派遣先に用意されているでしょうし、いつも同じ環境、同じ顔ぶれで働いているかどうかなど、職場環境によっても違いは出てくるとは思います。
ただ、派遣に共通していえることは、派遣先=雇用主ではないという事実です。
先日、新聞で「IT系は離職率が以前高く、それは帰属意識が低いことが原因だ」というような記事を見かけました。IT系業界は、勤め先の会社から出向を指示されて客先常駐、つまりクライアント先や親会社などで働く時間が長いらしく、ほとんど自分の会社で過ごす時間がないことから帰属意識が高まらず、これが離職率が高い原因となっているのでは、というような内容でした。
これって、一般業務で働く派遣スタッフにも言えることかもしれないですね。
そもそも、帰属意識とは何なのでしょうか?
ある集団に自分が属している、その集団の一員であるという意識。企業や民族などさまざまな規模・単位について用いられる。
出典:http://www.weblio.jp/content/%E5%B8%B0%E5%B1%9E%E6%84%8F%E8%AD%98
派遣の特性上、雇用主が派遣会社とはいえ、実際に働いているのは派遣先なので、ここでの「属している組織」というのは派遣先ということになるんでしょうね。
職場に帰属意識を持つことはそう悪くもない
正社員を辞めてすぐの頃、こういう感覚を無駄だ、こんなこと大事にするやつは阿呆だと散々考えていましたが、数年経った今考えてみると、そう悪いことでもないのかなと思います。
職場や仕事の悩みって、同調したり共感できる対象は誰が良いかと考えると、やっぱり同僚か上司ということになるんですよね。僕もこれまで派遣で働いてきて、仕事に対する不安がある時に誰と共有していたかなと思い返すと、それはやっぱり派遣先の従業員ではなく、同じ境遇で働く派遣スタッフなんですよね。
これって、生産性のない行為なのかもしれませんが、居場所を作ることで心の平静を保ったり安堵感を得たりすることは大切なんじゃないかなと思います。
もちろん、派遣で働くからにはそういった甘えを捨てて、フリーランス感覚で一人で何でも出来るようにならなければいけないんですが、そういう状態でずっと走り続けられるという人は少ないのではないでしょうか。
しかし現実をみると、派遣先に居場所を求めるというのは少々難易度が高いように感じます。あくまで、僕の今までの感覚からですが。
ただ、同じ派遣で働く仲間というのなら頑張れば作れるのかもしれません。お互いに依存し合うのではなく、お互いに励まし合っていけるような間柄であれば、孤独感や孤立感を和らげながら、意味のある関係性を築くことが出来ます。
派遣会社のフォローなんて、いくら頑張ってもすべてのスタッフをカバーすることなんて出来ないので、だったら派遣スタッフ同士で交流できる場を設けたりしても良いかもしれません。
とはいっても、僕はそういうコミュニケーション力はゼロですし、今後も仲間作りをする予定はないのですが(^ ^;)、もし、これから派遣で働く人で、居場所がないと不安で働けないというタイプであれば、同じ派遣スタッフとお友達になったりそういう方法はどうですか、という提案のお話でした。
僕の通っていた小学校では、最近では少子化に伴い同じ学年で野球チームを作ろうとしても人数が足りないんだそうです。そういう時代なので、帰属意識も大切かも知れないですが、自分から積極的に人と繋がろうとしていかないと、どんどん孤独になっていく時代なのかもしれません。
ネット上の書き込みを見かけたら、派遣で帰属意識なんて・・・と否定的な意見が多いようなんですが、僕が今まで見てきた経験でいうと、人はそれほど強くないと思うんですよね。これまで、早期退職していった人をたくさん見てきましたが、会社に居場所を作れなかったという理由は実際に多かったです。