在職中の正社員の座を捨てて、転職をして再スタートをしたいと思ったときに、派遣という選択肢も考慮する方は多いと思います。「最悪、正社員でダメなら派遣で働く」という決断をする方は、多いです。
では、今はまだ退職してはおらず、時期の見通しもついていない場合に、派遣登録をするべきかどうか?という悩みを持つ方もいると思います。結論からいうと、基本的には在職中に焦って派遣登録をする必要はありません。
それでは、その理由について一つずつ説明していきます。
退職時期が決まっていない状態で派遣登録をしても・・・
在職中に派遣登録は可能です。むしろ、大手では「夜間登録会」「土曜登録会」といった、在職中の登録応募を受け入れようとする動きがあります。
しかし、退職する時期の見通しもつかないとなれば、派遣会社から求人の紹介はありません。
派遣登録のメリットというのは、一度登録した派遣会社から継続的に自分の希望条件にマッチした求人紹介をしてもらえることです。しかし、退職時期も再就職時期も決まっていない人材に対して、求人紹介をしてくれる派遣会社はありません。労働力として見なされませんから、当然ですね。

派遣先企業はスタート時期に合わせて派遣会社へ依頼をしてきますので、ある程度、そこに合せられる人をピックアップせざるを得ないです。
再就職(転職)時期が決まっていない
これも当たり前の話ですが、退職時期が決まったとしても、再就職(転職)をする時期が大まかでも決まっていないと、派遣会社側はアクションを起こすことが出来ません。
派遣会社は自社の登録スタッフがいつから働けるのかという情報を非常に大事にします。その理由として、派遣の求人が緊急性の高い案件が多いという特徴にあります。
正社員求人なら1~2ヵ月くらい入社時期を待ってくれる企業はあるかと思いますが、派遣でそれは稀なパターンです。なので、派遣先は派遣スタッフをなかなかよこさない派遣会社を悠長に待ってくれるようなことはしません。本来であれば、派遣法で禁じられている他社競合による複数社を利用した人材募集をかけるのも、こういった理由があります。
派遣のしくみや自分に合っているかどうかの見極め
唯一在職中に派遣登録をして、得になることといえば、キャリアカウンセリングを受けられることでしょう。今、本記事で題材としているような「在職中の派遣登録」について情報収集しているような人は、派遣未経験者が多いでしょうし、まだ派遣の基本的なしくみやメリットデメリットについて勉強不足な面はあるかと思います。
派遣登録面談で説明を受けてみて、「やっぱり自分には合わないな」という結論になるかもしれないですし、その見極めの為に登録を申し込むのはアリだと思います。
勘違いしている方も多いですが、派遣登録の申込=登録ではありません。登録会当日の流れの中で、登録するかどうかの意思確認は行われます。つまり、登録会当日に来社をして、派遣コーディネーターの説明や対応に納得が出来なければ、その場で登録を断ることが出来るということです。
失業保険受給期間中の就活報告になる
ちょっと余談ですが、退職後は失業給付を受けながら、ゆっくり考えていきたいという方は、求職期間中にハローワークに報告する就職活動内容に派遣登録を入れても良いと思います。
最近、派遣登録も活動の一環として認められるようになったそうです。実際に、失業給付の説明会で聞いてきた情報なので、間違いありません。(※ただし、ハローワークの情報は地域によって差があることが非常に多いので、申請をする際には自己責任において確認をお願いします。)
まとめ
在職中に転職活動をスタートして、まずは正社員を狙って無理なら派遣というスタンスなら、焦って登録に行く必要もないのかなと思います。登録にかかる時間はせいぜい1~2時間程度なので、半日もあれば完了できることです。
また、最初から「次は派遣で働く」と決めているにしても、登録はそれほど時間のかかることでもないので、焦って申し込む必要性は感じられません。
しかし、文中でも触れましたが、「そもそも本当に派遣で働くべきなのか?」といった根本にも目を向けた方が良いと思います。僕自身は、派遣で数年働いてきて何の後悔もありませんが、周りを見渡すと必ずしも全員がイキイキと働いているわけではありません。
本記事では、在職中の派遣登録に対して否定的な意見を書きましたが、それはあくまでも在職中に次の職場を派遣で決めるのは困難だということであり、「話を聞いてみたい」といった目的であれば、アリだと思います。
