3年ルールと5年ルールの違い

派遣社員にかかわる法律について

派遣の3年ルール、非正規の5年ルールとの違い、2018年問題について解説します

2019年8月22日

本記事では、派遣スタッフに関わる3年ルールと、非正規雇用者すべてに該当する5年ルールとの違いと、2018年問題について、詳しく解説いたします。

3年ルールとは

3年ルールとは、2015年4月1日より派遣法によって定められた法律です。
2018年4月からは、同じ派遣先で3年働いた派遣スタッフに対して、大まかに以下の4つの措置がとられることになりました。

  1. 紹介予定派遣を活用した派遣先企業の受け入れ
  2. 新たな派遣先の紹介
  3. 派遣元の常用型派遣(無期雇用型派遣)による雇い入れ
  4. その他安定した雇用の継続を図るための措置

3年ルールについては、「別の派遣スタッフと交代」または「部署異動」のどちらかがあった場合には、それまでの勤務実績はリセットされる抜け道があります。

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なお、専門26業務といわれるお仕事は、これまで期間の定めはありませんでしたが、残念ながら今回の3年ルールによって撤廃されることになります。

派遣の26業務

ソフトウェア開発/機械設計/放送機器等操作/放送番組等演出/事務用機器操作/通訳、翻訳、速記/秘書/ファイリング/調査/財務処理/取引文書作成/デモンストレーション/添乗/建築物清掃/建築設備運転、点検、整備/案内・受付、駐車場管理等/研究開発/事業の実施体制の企画、立案/書籍等の制作・編集/広告デザイン/インテリアコーディネータ/アナウンサー/OAインストラクション/テレマーケティングの営業/セールスエンジニアの営業、金融商品の営業/放送番組等における大道具・小道具

出典:政令で定める26業務

後述する5年ルールと大きく異なる点は、派遣スタッフとして派遣先で3年を超えて在籍する手段はないところですね。

5年ルールとは

5年ルールとは、無期転換ルールとも呼ばれるもので、2013年4月1日より適用されています。
この法律は、派遣を含む有期雇用労働者すべてであり、5年の間に一度でも契約更新がされていれば、対象となります。

5年ルールが適用されるタイミングに関しては、「次回の契約で、通算5年間の雇用が決定する」ときです。

例:1年契約を繰り返した場合

一年契約で働く場合、6年目の雇用契約を結ぶときに通算5年以上の就業実績が確定するので、ここでルールが適用されます。

例:3年契約を繰り返した場合

3年契約で働く場合、4年目の雇用契約を結ぶ段階で5年以上の就業が確定するため、ルールが適用されます。

上記で挙げた例のように、5年以上の就業が確定した段階で、労働者は無期雇用転換への申し込みができる権利を有します。

3年ルールと異なる点は、労働者が無期雇用転換の申し込みをするかどうかを選択できる点ですね。
無期転換を希望しない場合、契約内容の変更はないままとなります。

なお、5年ルールの適用される対象が派遣スタッフだった場合、雇用主は派遣先ではなく派遣会社となります。

5年ルールの問題点

5年ルールにより、有期雇用から無期雇用へ切り替わることで、契約更新時にクビを切られる不安からは解放されるメリットは大きいでしょう。

しかし、無期雇用へ転換したからといって、社内の正社員従業員と同等の給料やボーナス、福利厚生が受けられるかどうかは企業のさじ加減であり、不安要素といえます。

この問題に、政府は同一労働同一賃金を掲げることで、正規と非正規雇用の格差をなくそうとしています。
しかし、対応できるだけの体力がある日本企業がどれだけいるのかを考えると、5年ルールに安易に乗っかることは得策とは言えないかもしれません。

3年ルールと5年ルールの比較表

営業マン前田
いずれのルールにおいても目的は無期雇用への転換ですので、派遣元や雇用元とは早い段階で無期雇用の条件について話合いをしておくべきです。

無期雇用と言っても極端な話、最低賃金と労働法に順守していれば派遣時に条件以下になってしまう可能性も十分あり得ます。

対象者 適用条件 ルール内容 適用日
3年ルール 派遣スタッフ 通算3年の有期雇用契約
  1. 紹介予定派遣を活用した派遣先企業の受け入れ
  2. 新たな派遣先の紹介
  3. 派遣元の常用型派遣(無期雇用型派遣)による雇い入れ
  4. その他安定した雇用の継続を図るための措置
2015年4月1日より
5年ルール 有期雇用契約者 通算5年の有期雇用契約 無期雇用契約への転換

※本人の申し出があれば、ルールが適用される
※正社員雇用の確約ではなく、有期雇用から無期雇用への転換のみ

2013年4月1日より

2018年問題とは

2018年問題とは、3年ルール・5年ルールの初の適用者が出てくるのが、どちらも2018年に重なることです。

企業側からすると、直接雇用となれば人件費コストが上がるのを懸念して、雇い止めや派遣切り等の処置をとる事例が、後を絶たないでしょう。

政府は、2018年問題の対応策として、「雇い止めの法理」「不合理な労働条件の禁止」を公言していますが、あいまいでどうとでも解釈ができる法律である以上、非正規の不安定な雇用環境が改善されていく期待は薄いと私は見ています。

雇い止めの法理とは

(派遣先含む)勤務先企業が、従業員の有期雇用から無期雇用へ転換することを避けるために、雇用期間満了を理由に雇い止めをする行為を禁止する条文。

不合理な労働条件の禁止とは

(派遣先含む)勤務先企業が、有期契約労働者と無期契約労働者(正規従業員)との間に、不条理な労働条件の格差をつけることを禁止する条文。

営業マン前田
2018年にはこの問題、大きく取り上げられた事案は少なかったように思います。
日本経済が順調に推移していることもあり、取って代わる雇用が生まれていたのかもしれません。

たとえば、ネットニュースでは以下のような雇い止め事例が報告されています。

2017年10月、理化学研究所にある研究室でアシスタントとして働く女性は、無期雇用に転換する試験を受けた。

1年契約を更新しながら、理研で十数年働いてきた。だが2016年に新たなルールができて、この試験に受からないと、3月で雇い止めになる。

結果は不合格だった。「選考委員会において慎重に審査いたしました結果、貴意に添いかねる結果となりました」などと書かれたメールを受け取った。

その日のことは、あまり覚えていない。

結果を知って急ぎ足で自席に来た上司の、途方に暮れた顔だけよく覚えている。顔が「うそだろ」と言っていた。

「ご迷惑をかけてすみませんでした」と答えるのが精いっぱいで、涙がこぼれて言葉にならなくなった。

引用元:https://www.huffingtonpost.jp/2018/01/19/labor2018_a_23337901/

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